Urmas Sisask
ウルマス・シサスク
1960年9月9日生まれ、ラプラ出身。
1986年からエストニア作曲家連盟に所属。
1993年、エストニア宇宙音楽協会設立メンバー
2003年、エストニア天文学者コミュニティ「Ridamus」創設メンバー
シサスクは、タリン音楽高校でアナトーリ・ガルシュネク、レネ・エスペレ、マティ・クールベルグのもとで作曲を学んだ。その後タリン国立音楽院でレネ・エスペレの作曲クラスに所属し、1985年に卒業。
1985年以来エストニアの小さな町ヤネダに住み、地元のカルチャーハウスの芸術監督(1998年まで)、音楽教師、様々な音楽集団(特にヤネダ室内合唱団)のリーダーとして2000年まで活動した。1994年には彼の自宅に音楽天文台が建てられ、1996年には自作のプラネタリウムも開いた。彼はこの塔で天体観測を続けながら、数々のレクチャーコンサートを開催しており、天体や星座をテーマにした作品の大半はここで生み出されている。
彼の作品は多彩なスタイルを持ち、宗教音楽からポピュラー音楽、さらにはラップ調の曲まで様々なものがある。また、ピアノのための作品、合唱曲、室内楽曲、管弦楽曲など、数多くの作品を作曲している。ライン・マランの自然映画のための音楽、子どものための舞台作品(子どものためのオペラ「王の悪女」、ミュージカル「カリウスとバクタス」「クロール」)、その他の舞台作品(「最後の山」2009年)なども手がけている。
大規模な作品としては、男声合唱と交響楽団のための「Requiem in Memory of Those Who Gave Their Life for the Freedom of Estonia」(1998)、エストニア語で書かれた最初のミサ曲である、混声合唱、ソリスト、オルガン、シャーマン・ドラムのための「ミサ第3番 エストニアミサ」(1992)、そしてオラトリオ「Pro Patria」(2003)などが知られている。
シサスクは、主に合唱曲で国際的な評価を受けている。合唱曲、モテット、オラトリオ、カンタータ、ミサ曲など宗教音楽作品を作曲している。最も愛されている合唱作品のひとつに「混声合唱のための"Gloria Patri"」(1988年)があり、24曲のアカペラ聖歌が収められている。シサスクの合唱における作曲技法は、クリアな質感、シンプルなハーモニー、滑らかな声部連結を特徴としている。誠実な感情表現と美しいメロディーは、日本、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アメリカ、フランス、ドイツ、オーストラリアなど、世界中の聴衆を魅了している。16年間で14枚のCDがリリースされ、彼の作品は40枚以上のCDに収録されている。
彼は作曲活動を始めた頃と同時期から天文学にも興味を持っており、天文学的な知識や経験、更に星々の動きへの数学的アプローチをもとに作曲を行っている。彼の最初の天体音楽作品は幼少期に作られている(子供のためのピアノ曲「カシオペア」)。それ以来、天文学は彼の主なインスピレーションの源となっている。
また彼は作品に様々な儀式音楽のスタイルも幅広く取り入れ、彼の中にある宗教的、神話的思想を音楽に反映させている。
エストニア共和国文化賞(1990年)、ホワイトスター勲章(第四級)(2001年)、ヤルヴァマー県勲章(2001年)、エストニア国防軍特別功労十字勲章(2004年)を受賞。
ヴェリヨ・トルミス・エストニア合唱音楽助成(2007年)、Pro Patria and Res Publica Union(IRL)のエストニア国家文化年間賞(2009年)、エストニアラジオの年間音楽家賞(2010年)、エストニア文化基金年間賞(2010年)、エストニア音楽評議会音楽賞(2020年)を受賞。
シサスクの作品は、主にEdition49から出版されているが、ERES、Alcanto、Fennica Gehrmanからも出版されている。
ウルマス・シサスクの本 アンネ・カーロ「Sindrinahkses kasukas」 (Talmar & Põhi, 2000)